上山八幡宮

上山八幡宮は、志津川地区の商店街に近く、地元の人々の信仰を集めて来ました。南三陸町のあたりには、正月に神棚を「きりこ」という白い切り紙で飾る風習があります。各神社の宮司は氏子のために「きりこ」を切り、配布するのです。上山八幡宮にも、美しいきりこが代々伝わっています。
このきりこがヒントになり、「きりこプロジェクト」は始まりました。
先人たちの代から営々と築かれてきた家業の歴史、町並み、人々の営み。その町で育まれた人々の無数の思い出。南三陸町の記憶が宿る町は失われました。しかし、南三陸町民の心の中に、その記憶は今も生き生きと甦ります。
その記憶は、町民が生きてきた証であり、誇りです。そこで育まれた精神文化が、新しく再建される南三陸町にも息づいてほしいと思います。
南三陸町の人々の祈りと願掛けの大切な場所として、上山八幡宮は宮司さんご一家とともに、今も人々に愛され続けています。

上山八幡宮に伝わる「きりこ」より
文:吉川由美

震災前の様子

震災前の住所


大きな地図で見る