芳賀家

過ぎ去った長い時を感じることができるような、美しい家屋は築100年を越えていました。志津川の大火も1960年のチリ地震津波も乗り越えた美しい家でした。五日町で、500坪という破格の広さの敷地でした。本宅・土蔵・畑・池・蒸蔵・農機具倉庫・庭・長置き場などがありました。本宅の座敷は100畳もあり、冬は寒さが厳しかったですが、夏は風通しが良く快適に過ごせました。裏庭の栗の木には毎年たくさんの栗がたわわに実りました。門のすぐ右側の土蔵は繭の蒸し蔵でした。たくさんの繭を製糸工場におさめていた時代の名残です。チリ地震津波の前までは裏庭に農耕馬を飼っていたそうです。きりこは、この家のシンボルでもあった「馬」を切り抜きました。
長年住んだ家の跡地に、芳賀さんはひまわりの種を蒔きました。「夏になったら、ひまわりがたくさん咲くように」と願いながら。夏の終わりに芳賀さんの家の跡には、たくさんのひまわりが咲きました。

2010年取材:佐藤知子
 2010年きりこ:佐藤知子・千葉貴子

震災前の様子

震災前の住所


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