雄新堂
明治の頃、駄菓子屋からスタート、昭和38年から菓子業を営んできました。震災前、いちごショートケーキなどは、1個200円という安さでした。昭和の頃、店の隣の佐又酒屋さんでは飲み屋を営んでおり、その前にバス停がありました。仕事帰りのお父さんがちょっと一杯ひっかけて、気分良くバスを待つ間、家で待つ家族のためにケーキを土産に買っていく人が多くいたそうです。お父さんの限りあるお小遣いでもケーキが200円なら5個は買っていってあげられる。それを思いやった店主が、基本のケーキだけは金額を変えずにがんばっていました。それゆえ「バス停」、「お酒」、「ケーキ」がきりこになりました。震災後も格安のおいしいケーキと、父親が作っていたパンを復活させて、町の人たちを喜ばせています。パン作りのためにご主人は7ヵ月以上、毎朝午前3時起きで一関のパン屋に修行に通ったそうです。南三陸さんさん商店街のお店では、おいしいパンと洋菓子が大評判です。地元のみなさんも観光客も足繁く通うお店として、親しまれています。
2010年取材ときりこ:阿部英恵
2012年取材:吉川由美