阿部旅館 / Abe Inn
100年を超える歴史があり6代続いた老舗旅館でしたが、震災で廃業することになりました。女将 節子さんの趣味は「吊るし雛作り」でした。作業に取り掛かると無心になれ、心にゆとりができました。震災後、泥まみれの着物を拾い集めて洗い、汚れていない部分を小さく切り抜き、吊るし雛を作り始めました。一針一針、雛を縫うのです。自分が作った雛人形が、南三陸のことを見知らぬ人たちに伝えてくれる。そう思うと、はりになるといいます。旅館をやっていた時のように晴れ晴れとした笑顔で、節子さんは手製の吊るし雛を南三陸町観光協会のショップに納品に行きます。
2010年取材:阿部静香
2012年取材:吉川由美
2010年きりこ:山内淳子・阿部英恵
“I am making ornamental hanging dolls, one stitch at a time”
The ex-proprietress of this Japanese inn works with kimono cloth that she searched for in the debris of the tsunami, took home, washed, and then made into hanging dolls.